しおかぜ (放送)

しおかぜ英称ShiokazeまたはRadio Sea-Breeze) は、日本の民間団体である特定失踪者問題調査会朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)向けに行っている短波放送である。

2005年10月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致被害者への呼び掛けを目的として放送が開始された。

なお、しおかぜを聴取する為には、短波帯が受信できる受信機(短波ラジオ無線機など)が必要である。また、日本国内でも聴取は可能だが、短波特有のスキップ現象により、明瞭に受信することは難しい。また日本国内で販売されている短波ラジオでも「ラジオNIKKEI専用」のラジオの場合、周波数がラジオNIKKEIに固定されている為、これらの受信機では受信は出来ない。

2008年に入り、北朝鮮からのジャミング(妨害電波)対策のため、周波数の変更が頻繁に行われている。

目次

概要

放送内容はたびたび変更されているが、2008年4月現在、以下の通りである。

拉致及び拉致の可能性がある失踪者名前読み上げ
家族からの手紙「みんながあなたを待っている」
家族の絆(直接の呼びかけ)「きっと助けてあげる」
しおかぜニュース(日本語「日本海にかける橋」、朝鮮語「シオカゼ ソシク」、英語「This is Shiokaze Sea breeze」)
拉致及び拉致の可能性がある失踪者へ呼び掛け(朝鮮語、英語、中国語)他
第二放送では、各番組がランダムに放送される(再放送あり)。

2005年10月の放送開始時には日本語番組のみで、日本の童謡唱歌などのピアノ独奏をBGMとして、拉致及び拉致の可能性がある失踪者の氏名、生年月日、失踪日時・場所などがアナウンスされた。

従来は、特定失踪者問題調査会(調査会)で製作した番組コンテンツを、インターネットを利用して委託先のイギリスの放送配信会社「VTコミュニケーションズ」に送り、イギリスから第三国の送信施設を経由して放送する方法を採っていたが、2007年3月、日本放送協会(NHK)が国際放送NHKワールド・ラジオ日本)用に使用しているKDDI八俣送信所茨城県古河市)の設備を、NHKの使用時間外にしおかぜが利用することでNHKと調査会が合意し、日本国内からの送信が可能になった。[1] なお、第二放送は従来通り、VTコミュニケーションズ配信系で第三国から送信されていたが、2007年10月28日、第二放送も八俣送信所からの送信に切り替わった。

国内送信(第一放送、第二放送)に使用されている無線局としてのしおかぜは、電波法上は放送局ではなく、また免許の有効期間も通常の放送局や業務局のように5年間ではなく2年間である。

呼出符号:JSR
呼出名称:しおかぜ
無線局の種別:特別業務の局
目的:広報業務用
通信事項:本邦外に在住する日本人向けの広報に関する事項
通信の相手方:本無線局の発射する周波数の電波が受信可能な受信設備

もっとも、北朝鮮政府自身が、太平洋戦争中の日本同様、民間人の短波放送の受信を厳重に規制しており、妨害電波(ジャミング)を発している以外に具体的な反応がないことから、効果の程については甚だ疑問である。また、真偽はともかく、チャールズ・ジェンキンスが「北朝鮮にいた時にVOAをよく聴いていた」と証言し、短波放送の有効性が期待されている。

放送費用については、月額60万円程度と発表している[2]

放送時間・内容の変化

  • 2008年6月20日現在
放送時間(JST) 周波数
05:30-06:00 5965kHz
23:00-23:30 6020kHz

※JST=UTC+9

2005年

  • 10月30日 - 深夜(31日未明)から放送開始。
(本来は30日23:30(JST)から放送が開始される予定であったが、予定時刻より1時間遅れて31日0:30(JST)から放送された。)
  • 11月1日 - 当初の放送開始時刻23:30(JST)からの放送を開始。
(10月30日の放送開始時刻遅延の理由としては送信を依頼している配信会社がイギリスであることから、ヨーロッパにおける夏時間終了に伴う手違いとみられる。)
この当時の放送内容は、「拉致被害者と見られる人々の氏名・生年月日、失踪場所・日時」(○○□□さん、昭和○年○月○日生れ、昭和×年×月×日、○○県△△市にて失踪。○○さんは失踪当時○歳、現在△歳)の読み上げであった。
  • 12月8日 - 放送時間を90分に拡大。同時に放送内容として、拉致被害者と見られる人々の家族・親族から被害者に宛てた手紙の代読も行うようになった。

2006年

  • 1月1日 - 放送内容に、拉致被害者と見られる人々の家族・親族から、被害者に向けた音声による呼び掛けの放送も行うようになった。
  • 1月30日 - 日本語の後、朝鮮語や中国語でも拉致被害者と見られる人々の氏名・生年月日、失踪場所・日時の読み上げが始まる。(日本童謡などのピアノ演奏がバックのため、外国局との判別は可能)
  • 4月17日 - 番組改編を行う。
  • 5月5日 - 妨害電波(ジャミング)と思われる受信障害を確認。
  • 5月9日 - 安倍晋三内閣官房長官(当時)が、記者会見で「(しおかぜへのジャミングは)北朝鮮からのものと認められる」と述べる。
  • 6月15日 - 周波数5890kHzでの放送から9785kHz(第一放送)と9855kHz(第二放送)の2波体制に変更。
前者(第一放送)は従来通りの日本語による失踪者の氏名等データの読み上げ等。後者(第二放送)は朝鮮語・英語・中国語での失踪者の氏名等データの読み上げや、日本語・朝鮮語・英語での拉致問題に関するニュースと解説の放送である。また、同時に放送時刻も変更されている。
  • 7月10日 - 第二放送を周波数9485KHz、放送時間22:00~22:30へ変更。
  • 10月13日- 菅義偉総務大臣(当時)が閣議後の記者会見で、「しおかぜが短波放送を欲しいと言うことであれば、国際電気通信連合(ITU)に正式に申し入れたい。NHKの施設を使えるよう前向きに考えたい」と発言。その後、11月10日にNHKに対して行われた、放送法33条に基づく北朝鮮拉致問題を取り上げるようにとの放送命令は、これを踏まえたものと捉えられる。結果的には「しおかぜ」へのNHK施設を使用する無線局免許の交付という形となって結実した。
  • 10月29日 - 第一放送の周波数を9645kHz、第二放送の周波数を9730kHzへ変更。
  • 11月11日 - 第二放送の周波数を9950kHzへ変更。

2007年

  • 1月26日 - 総務省、国際電気通信連合(ITU)に「しおかぜ」への周波数割り当てを申請。
  • 2月1日 - 第一放送、放送を一時休止。
  • 2月8日 - 第一放送、放送を再開。
  • 2月26日 - 特定失踪者問題調査会、総務省関東総合通信局に免許を申請。
  • 3月13日 - 関東総合通信局、予備免許交付。
  • 3月19日 - 国際電気通信連合(ITU)への周波数登録手続き完了。
  • 3月20日 - 菅義偉総務大臣(当時)が閣議後の会見にて無線局免許状を付与する事を表明。
  • 3月22日 - 関東総合通信局において無線局(放送局ではなく特別業務の局)として免許交付。[3]
  • 3月25日 - 第二放送の周波数を9485kHzへ変更。
  • 3月26日 - 第一放送の周波数を6045kHz、八俣送信所からの送信へ変更。
  • 3月29日 - 第一放送へのジャミング(妨害電波)を確認。総務省も国際電気通信連合(ITU)に要請。
  • 3月30日 - 総務省、第一放送への妨害電波の送信地が北朝鮮であることを確認。同日、無線通信規則違反を国際電気通信連合(ITU)に通告。
  • 10月28日 - 第二放送の周波数を5985kHz、第三国送信から八俣送信所からの送信に変更。
  • 10月29日 - 第一放送の周波数を5965kHzへ変更。
  • 11月2日 - 第二放送にジャミング(妨害電波)を確認。総務省も国際電気通信連合(ITU)に要請。

2008年

  • 2月14日 - 羊角島国際ホテル29階にて武蔵村山市議天目石要一郎平壌においての受信を確認。日本国内送信でのしおかぜの現地受信確認例としては初。[1]
  • 3月30日 - 第二放送の周波数を6020kHzへ変更。
  • 3月31日 - 第一放送の周波数を6045kHzへ変更。
  • 4月2日 - 第二放送へのジャミング(妨害電波)を確認。
  • 4月4日 - 第一放送へのジャミング(妨害電波)を確認。総務省も国際電気通信連合(ITU)に要請。
  • 4月9日 - 第一放送の周波数を5965kHzへ変更。
  • 4月15日 - 第一放送へのジャミング(妨害電波)を確認。
  • 4月18日 - 第一放送の周波数を6045kHzへ変更。
  • 4月23日 - 第一放送へのジャミング(妨害電波)を確認。
  • 4月30日 - 第二放送の周波数を6005kHzへ変更。
  • 5月9日 - 第二放送の周波数を6020kHzへ変更。(4月30日以前より送信中の対北放送6003kHz希望のこだま放送との混信回避)[4]
  • 5月13日 - 第二放送へのジャミング(妨害電波)を確認。
  • 6月13日 - 第一放送の周波数を5965kHzへ変更。
  • 6月19日 - 第一放送へのジャミング(妨害電波)を確認。(遡って6月15日より第一放送では1週おき再放送で東京都知事石原慎太郎のメッセージ送信がなされている)

放送の目的

  1. 拉致被害者に日本で救出の努力をしている事を伝える
  2. 北朝鮮が情報を外部に出すように促進する
  3. 北朝鮮の体制が崩壊した場合に避難場所等の情報を提供する

北朝鮮による妨害

2007年3月29日の朝と30日朝の二回、しおかぜに対して妨害電波が発信された事が明らかとなり、朝日新聞産経新聞等の各メディアにより報道される。総務省は、妨害電波は北朝鮮から発信されたことを確認し、30日、国際電気通信連合(ITU)に対し、この電波がITUの無線通信規則に違反していると通報した。違反の内容は、電波には混信源特定のために義務付けられている識別信号(コールサイン)が付加されていない事である。この通報は、混信の排除に向けた手続きの第一歩で、妨害が確認されればITUに混信排除の援助を要請する方針である。[5] また、周波数変更を行ったしおかぜに対し2007年11月2[6]、2008年4月4日[7]と妨害電波が発せられた事に対しても同様の措置が取られている。

連絡先

  • 〒100-8463 東京中央郵便局私書箱1022号(所在地は非公開)、送信所はKDDI八俣送信所(「NHKワールド・ラジオ日本」と設備共用)
  • ベリカード郵便振替(00160-9-583587・特定失踪者問題調査会)による1000円以上のカンパをし、通信欄に受信日時や周波数、受信状態などの受信報告レポートを記載するともらえる。

関連項目

外部リンク

脚注

  1. ^ NHK、「しおかぜ」に国際短波放送用の施設使用認めるアサヒコム2007年3月13日付
  2. ^ しおかぜだより2007.3.22内容
  3. ^ 「しおかぜ」に対する無線局免許の交付について 関東総合通信局報道資料、平成19年3月22日
  4. ^ 猫の目作戦--「しおかぜ」周波数再度変更 調査会NEWS 627
  5. ^ 平成19年3月30日「しおかぜ」への影響が懸念される電波への対応-総務省(報道資料)
  6. ^ 平成19年11月2日「しおかぜ」への影響が懸念される電波への対応-総務省(報道資料)
  7. ^ 平成20年4月4日「しおかぜ」への影響が懸念される電波への対応-総務省(報道資料)
[ しおかぜ (放送) ]の改訂履歴 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』
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関連リンク


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